(pic01) 朝霧の中、長江大橋から重慶の港を望む。前夜この橋を渡った時、両岸は綺麗にライトアップされていました。

(pic02) 今回利用するのは、5,191トン、乗客定員160人と大型の外国人用観光船「平湖号」。冬の乾期は、船底が川床に着くため走れないのでお休みとのこと。ホテルとしても四つ星クラスです。

(pic03-05) いよいよ重慶の港(朝天門)から出航。45分遅れでした。嘉陵江との合流点では河の色の違いがよく判りますね。もちろん茶色の方が長江で、これに流れ込む支流はいずれも澄んでいます。

(pic06-07) 一日目は、比較的なだらかな景色が両岸に続きます。

(pic08) 江岸の貯炭場。以前はシャベルをふるいもっこを担ぐ人たちで賑わっていましたが。

(pic09) ザーサイの産地で積出港フ陵は、既に丘上に移転を終えたらしく、きれいな護岸が見えます。

(pic10) 行き交う観光船は様々な形をしています。これは三国号だったか。

(pic11-22) 豊都県鬼城。リフトに乗って中腹まで行き、奈何橋(思案橋)、寥陽殿(仏教)、玉皇殿(道教)、鬼門関、黄泉の路等を抜けた最後、天子殿に閻魔大王とその奥さんが祀られています。

(pic23) 手前がやがて水没する現在の豊都県、対岸が新豊都県です。現地ガイド氏曰く。新しいビルの7階に会社が入ったが、エレベーターが無い。この後、夕食時、外国人客(仏、独など)がバタバタ立ち上がって窓に寄ったので何事かと見たら、乾龍号とすれ違うところでした。

(pic24-25) 早暁、奉節県に到着。三峡の入り口、瞿塘峡に夜明けが訪れると、白帝城は目の前(左岸の小高い山の上)です。

(pic26-35) 唐の詩人李白の詩でも有名な白帝城は、三国志の英雄・劉備玄徳帝の最後の居城。塑像は、臨終に際し玄徳が、軍師諸葛亮孔明以下の重臣に遺言を残すところ。それにしても、800段(ウソ800の説も有り、数えた訳ではないが)の階段はきつい。駕篭屋がいるからいいけど。

(pic36-37) ここはまた長江沿岸から発掘された遺品の博物館にもなっています。三国時代の武器や、古代の懸棺が展示されています。

(pic38-41) 白帝城から帰ると、いよいよ船は瞿塘峡へと進みます。大小の観光船が続々通過するのは、ラッシュアワーでしょうか。ダムが完成すると白帝城は離れ小島になってしまうため、隣の山との間に橋が出来ていました。

(pic42-47) 瞿塘峡は長さ8kmと短いのだが、狭いところでは川幅は100mほど。急峻な両岸の山が迫る。絶壁に「風箱峡」の文字が見え、古桟道が刻まれています。山中の其処彼処に175mと書かれた看板は、ダムの水位が最終的にはここまで来るという印。また同様に135mとか二期工事とか書かれた看板は来年以降の水位を示す。河を下るに従ってその位置が山の上へと上っていきます。

(pic48-51) 二つ目の峡谷が巫峡。両岸の山はいよいよ険しく、船は神女峰など巫峡12峰の下を縫うように下っていきます。時々行き交う小船は漁船か。

(pic52-56) 既に移転を済ませたものか、二期工事終了とともに水没する低地の住宅には人影も有りません。川幅が狭くなるところでは一方通行のため、信号台が設置されています。時折、大きな手網を打ち振る漁民を見掛けますが、なかなか魚は入ってくれないようです。この網で砂金を採る者もいるとか。

(pic57-62) 巴東沖には沢山の観光船が錨を下ろす。ここでフェリーから更に小船へと乗り換え、神農渓・龍昌峡の見物。川幅も狭く水深も浅いので、一艘の船を船長以下6人の漕ぎ手が、櫂と竿で漕ぎ進みます。浅瀬に来ると、竹で編んだロープを使い、4人がかりで牽いていきます。日照時間が短いため、渓谷に入った途端、気温が下がりました。上流、神農架の3000m級の山には金絲猴が棲むそうです。

(pic63-64) 切り立った崖のはるか上の方、横穴から顔を覗かせるのは、古代の懸棺。移転に際し、江上のあちこちに大きな吊り橋が何本も架けられていますが、ここの橋はまだ未完成でした。

(pic65-66) 二日目も暮れようとしています。空も河も、何もかもがピンクに染まって見えるこの時間が、私は一番好き。

(pic67-68) 三峡に12日の月が上ると、やがて船は西陵峡の入り口に差し掛かる。21日が仲秋節でしたね。このあと月明かりの中、詩人屈原や王昭君の故里シ帰などを通過して夜中前に投錨。

(pic69-70) 三峡ダムの夜明け。翌朝目が醒めてみると、船は既に三峡をほとんど抜け、ダム（の工事現場）の上で停泊していました。

(pic71-73) このダムの総発電量は1,820万kw、中国全土の1/9をまかなうそうです。閘門(堰堤)の大きさは、西安の城壁も万里の長城もかすむほど。

(pic74-75) 橋越えに、向こうの山の水路が見えますか。来年以降、船はこのパナマ式水路を上ることになります。全5段、最終的には1万トンクラスの船が重慶まで遡上するようです。

(pic76) 宜昌港(黄柏河=葛洲覇ダムの上)で、2泊3日の船旅、平湖号ともお別れ。次に訪れる時、三峡は私達にどのような顔を見せてくれるでしょうか。

　　　　　　　　　(2002年9月17-19日)