コラム 「旅遊閑話」
この10年ほど、ほぼ毎年1回、夏休みは中国に行ってきました。
しかし、あれだけ広い国土に、56の民族、13億の人口が暮らす国です。何回行っても、まだまだ見たいもの、見たいところが沢山あります。
そんな旅先で見聞きしたこと、あれっと思わされたことなどを、書いてみました。これから中国に行こうという方、関心のある方には多少の参考になるでしょうか。
チップと有料トイレ('01.09)
チップについて
これまで中国のホテルでは(社会主義国なので)、原則としてチップは要らないといわれてきた。
しかし、我々旅行者が利用するのは、基本的に外国人専用の4・5つ星ホテル。
欧米人は当たり前の様にチップを渡すため、受け取る側も、貰って当たり前と考える従業員が増えている。
団体旅行の場合、添乗員がまとめて渡していることが多いのだが、これとは別に個別にチップを要求するポーターも多い。
北京、上海等の大都市の4・5つ星ホテルクラスでも、ポーターがスーツケースを運んできたときに5元(約75円)というところが相場だそうだ。
5元がないときは、100円硬貨でも良いという。ところが青島のホテル(民族資本系?)では、「ノー、ノー、チャイナ・マネー」といわれ、慌てて小銭ををかき集めるはめに。
ポーター以外の、いわゆる枕銭などは(香港以外)必要ない。大体ルームメイキング(舗床)に来ることも少なく、ベッドカバーをしたままのことの方が多いのだが。
有料トイレ
10年近く前に、万里の長城に行った際に、3角(10角=1元)取られた。大して綺麗でもないトイレだが、エアータオルが付いていて、この値段だろうと笑ったものだった。
この時、北京のイ和園のトイレは無料ではあったが、扉も仕切りもなく、広いコンクリの床に穴が一列にあいていた。女性用も同じだったとあとで聞いた。
最近は、観光地に行くと、「免費」と書いた無料トイレが目立つようになった。
逆に言うと、こう書いてない「公共厠所」の場合には、どこからか手が出てきて5角(約7.5円)請求されることが多い。
別に特別な設備が付いているわけでもない。一本の長い溝の上に大勢で跨って用を足す。
それでも10年前よりは、隣との仕切りのあるところが多少増えただろうか。
依然として、ホテル、高級レストラン以外では、個々に扉が付いていたらラッキーと思ったほうが良い。
ここ中国でも、旅行者はいつも小銭の用意が必要だ。
(いの '01.09記)